されどロックな日々 - ANNEX

「されどロックな日々」、別館 (ANNEX) でございます (^^)

罪なもあ


【罪なもあ】



さて。

まず最初に鼻血注意報。

んでもって。

この写真である。

もあがビーチで膝上まで水に浸かり、微笑んでいる。

実に可愛い。

実にもあらしさが出ている。

実にもあの魅力が引き出されている。

もあの微笑みを見て、僕も精神が弛緩し、ニンマリとしてしまった。

しかし。

一点、issue を認識した。

つまり、そこはかとなく色気が感じられることである。

理由は明白だ。

もあさんがスカートをたくし上げているからだ。

ぬ〜。

これはよろしくない。

遺憾の意を表したい。

BABYMETAL やさくら学院の魅力のひとつは、いたずらに色気を売り物にしていない点にある。

歌詞を見ても、一般的な女子アイドルたちが歌っているような恋愛ソングがほとんど無きに等しい。

「朝、登校するとき、電車の中で先輩と目が合っちゃいました。今日は何かイイことありそ」だとか。

「今日もアナタに会えなかった。夜中になっても考えるのはアナタのことばかり。ああ、今頃アナタはおうちで何をしているのかしら。じっとケータイの待ち受けを見つめるワタシ」だとか。

いかにもありがちな恋愛の歌は、ベビメタやさくら学院にはない。

一般的に見て、女子アイドルたちはかような恋愛ソングを歌うことによって、男性ファンたちに疑似恋愛をさせ、自分たちのファンとして取り込んでいるわけだ。

疑似餌の付いた毛バリに釣られる魚と同じなのだ。
と言ったら、きっと殴られると思うのでやめておく。

ところで、今書いているこの作文は、あくまでも僕の個人的な独白、モノローグである。
偏見は一切ないものの、圧倒的な独断である。
したがって、客観性などは微塵も存在しない。

で。

男たちはまるで自分がアイドル女子たちの“憧れのセンパイ”だとか“大好きなアナタ”だとかになったような気分になり、夢想と幻想の世界に浮遊し、幸せな気分に浸るわけである。


アイドルたちはまるで歌詞に合わせるかのように、色っぽい、というか刺激的、いやむしろ煽情的ですらあるような衣装や化粧、振付けで男たちをさらに誘惑し、蠱惑し、自分たちの世界に引きずり込む。

女子アイドルたちは夢を売り。
男たちはCDやDVDやグッズを買う。
コンサートやイベントにいそいそと出かける。

そういうビジネスモデルを僕は別に否定しない。
需要があるなら供給があっても全く不思議ではない。

しかるに。

ベビメタやさくら学院は、かようなアプローチと一線を画す。

何というか、色気の“質”が違うのである。
安っぽい、ストレートすぎる色気は無用なのである。

いわば高度というか、ハイレヴェルというか、要するにそういう色気なのである。

「色気に高度もへったくれもあるか、ヴぉけ」
という声が聞こえた。

ある。
決定的にある。
高度な色気やへったくれは確実に存在する。

煽情的な衣装で、身体のラインや胸や脚を強調しなくても良い。
顔に塗りたくって、盛りまくってメイクしなくても良い。
口元に蠱惑的な笑みを浮かべなくても良い。

きちんとした衣裳を身に付け。
たしなみ程度の化粧をほどこし。
自然に微笑んでいれば良い。
そこから漂ってくる健康的な可愛さに、ほんのりと色気が混ざる。

特に艶っぽくしなくても、ほのかに、かつ上品に漂う何かこそがベビメタであり、さくら学院の持つ特色なのである。

もちろん男たちにCDやDVDやグッズを買わせることに変わりはない。
さくら学院には、購買部という素晴らしいグループだってあるわけだし。
コンサートやイベントにも積極的に勧誘する。

しかし、決してあからさまな色気を前面に打ち出さなくても、十分にやって行けるだけの女子力と人間的魅力を持ち合わせている、実に稀有な女子アイドルたちが BABYMETAL やさくら学院なのである。

メイトさんや父兄さんたちが、女子アイドルのファンの中でも最高峰に位置するのは、かような背景に依る(当社比)。

もちろん、疑似恋愛の世界に浮遊するメイトさんや父兄さんたちも少なからずいるだろう。
最初からそうでなかったとしても、親兄弟的な目線で見守って行くうちに、それが徐々に彼氏的な目線に変容して行ったケースもあろう。
それはそれで自然なことだと思う。

が、少なくともベビメタサイドやさくら学院サイドなど、サプライ側から過剰なお色気が供給されることはない。

そして、まさにそこにこそ、魅力があるのである。
色気をいたずらにひけらかさない。
いたずらに鼓舞しない。
妙に色っぽい服装にはせず、化粧も控えめ。
しかし、そこから図らずもにじみ出てくる何かこそが、色気でもあり魅力なのである。


昨今のアイドルの中には色気どころか、ストレートにエロさを前面に打ち出すようなアプローチを取るケースもあるようだ。
具体例は特に僕が持ち出すまでもなく、巷にはあふれ返っているはず。

別に僕はそういうアプローチを否定しない。
悪いとも思わない。
いや、むしろ積極的にチェックして行きたいくらいだ。

だが。
それはそれ、そういうアイドルたちがやっていれば良いわけで、ベビメタやさくら学院は過剰に恋愛を歌ったり、ファンを疑似恋愛の世界にいざなったりする必要はない。
ベビメタやさくら学院には、ベビメタなりの、またさくら学院なりのやり方があるわけで。

「何を大げさな! 今回のもあは、ちょっとお茶目してみただけだろ」
「そんなにガタガタ言わなくても、もあは大丈夫だ」
「オーバーリアクション、カコワルイ」

そういう向きもあるやもしれぬ。

しかしである。

割れ窓理論ではないが、いったん前例ができてしまうと、大変によろしくないのである。

エンタテインメント界において展開される色気というのは、いったん消費され始めると、どんどん加速度的な勢いで消費されて行く。

消費されたアイドルは飽きられ、やがて消え行く運命に見舞われ兼ねない。

また、今のところはイノセントな女子たちが。
「こんなコトしてみたら、男のヒトたちが喜んだ。大騒ぎした!」とか学習することも憂慮すべき点ではある。

つまり、色っぽい格好、エロい仕草をすれば男たちが喜ぶということを学習し、万が一それを連発するようになったら、ベビメタやさくら学院の根本的な魅力が瓦解してしまう。

現時点で、そういうことを制作側が許すとは到底思えない。
とはいえ、個人的ながら、十分な注意を払いつつウォッチしておきたいと思うのである。

もしもである。

ベビメタやさくら学院の女子たちが色気を使うような場面があるとしたら、あくまでそれは「伝家の宝刀を抜く」ような、ある意味、限定的かつ瞬間的な場面にとどめられたい。

一方において。

「色気を抑え込む」と僕が言ったところで、彼女たちももう高校生、いくら隠そうとしたところで少しずつそれがジンワリと発露して行くのは自然の摂理、致し方ないことではあろう。

今回は、もあが数本所有する“伝家の宝刀”のうち、短い刀の柄を握り、少しだけ抜いてみた感じか。

抜かなくて良いから、そのまま元のサヤに戻してほしい。

もあが美人系の顔立ちであることは、すでに日本国民すべての知るところではあるが、積極的に色気を前面に打ち出すのは10年後、25歳あたりあたりからでも十分、十二分であろう。

いや。
20年後、35歳あたりからでも、まったく遅くはなかろう。

                      • -

冒頭にも書いたとおりだが。
この写真を最初に見たとき、僕はもあの溢れかえる可愛さ、魅力に思わず微笑んでしまった。

イイ……!

鼻の奥につ〜んと来るものがあった。
僕は本気で鼻血を警戒した。

しかし、原理主義者wとしての、もう一人の僕が、その10秒後に issue の存在を認識した。

実を言うと。

イシュウを認識した僕は、もあに説教しに行こうと思ったのであるが、どこへ行けば良いのかわからなかったので、とりあえずやめておいたものの、何らかの形で自分の意は表せねばならぬ、そうだ、手首でも切ってみよう、そうすればもあも僕のメッセージに気づくだろう、そしてきっと僕にメールの一本、あるいは手書きの書簡でも送ってよこすだろう、我ながら実に良いアイデアだとヒザを打ち、どれ、じゃあカッターナイフでも探そうと周囲を見回したが、あろうことかカッターが見つからず、一体何なのだこれはとあれやこれやを思案しているうちに、自分が何をしようとしていたのか忘れてしまった。


とまれ。

BABYMETAL やさくら学院は、他のアイドルたちとは明らかなる一線をしっかりと画し、取り立てて色気を強調しなくても、今まで通り、根本的かつ健康的な女子力と人間的魅力で十分に勝負できるような、稀有なるアイドルであってもらいたいと思うのである。

でも、この写真はやっぱり……w