されどロックな日々 - ANNEX

「されどロックな日々」、別館 (ANNEX) でございます (^^)

音楽評論家様によるベビメタ記事の読後感想文


6月14日、日曜夜。

某超有名ポータルサイトのエンタメセクションで見つけた記事。
大手のポータルゆえ、もちろんどこかのブロガーさんが書いたお気軽なブログエントリーではない。
筆者は、れっきとした音楽評論家の先生である。
Wikipedia によれば、過去、有名音楽雑誌等で評論活動を展開し、また書籍も多数出しているそうだ。僕も名前だけは聞いたことのある人だ。
そのお方が書かれた、ベビメタについての評論記事である。

それを一読したところ、色々と理解できないところが山盛り、いやエヴェレスト盛りという印象だったため、とりあえずは、“個人的な感想”という感じで、理解できない部分を、備忘録よろしく書き留めておくのは悪くないだろうと思うに至り……。

ところで。
昨日、水曜の午後、西新宿某所にあるカジュアルなイタメシ屋でのこと。
昼間からワインなどをすすりながら、ベビメタメイトでも何でもない仕事仲間Y氏と話してたとき。
Y氏は僕よりも1歳年上で、音楽ギョーカイとは直接的な関係はないものの、音楽関係には僕より少しだけ詳しい。。
iPhone で記事を見せながら、ひととおり僕が話し終わったところで……。

Y「だけどさあ」
僕「はい」
Y「この記事ってまともに反応する必要あんの?」
僕「まともって……」
Y「だから、あんの?」
僕「ヤフーのエンタメ記事だし」
Y「……(ニヤニヤ)」
僕「音楽評論家っスよ、一応」
Y「どははははは」
僕「……」
Y「お前みたいのがいるから、こういう記事が成立すんだな〜、たぶん」

黒いヒゲと対照的な、妙に白い歯を見せて笑うY氏。
氏の言いたいことは、良くわかった。

なるほどねえ。
でも、まあ、所詮はそんなもんなのであろう。
ベビメタに興味のない連中にとっては、ディテールなどどうでも良いのだ。
お気軽な読み物として面白おかしければ、それで良いのだ。

しかしである。
笑う氏を見ながら、僕は逆に強く思ったのであった。
そっちにとってど〜でも良くても、こっちにとってはど〜でも良くね〜のよ。
やはり読後感想文は残しておこう。

形としては、そう、ベビメタメイトの末席にいる者としての、ささやかなるレジスタンスであろうかw おっさんの意地と捉えてもらっても良い。


というわけで、木曜、平日の昼間っから、僕はカタカタとPCのキーボードを叩き始めたのであった。

ちなみに、これは単に僕の心によぎった極めて主観的な感想を列記したものにすぎない。
他にも色々あったのだが、とりあえずは原文を引用しつつ箇条書きにし、7点に絞ってみた。


1)「あまりにもストイックすぎて、一分の隙もない<やらされてる感>の美学に到達しちゃったアイドルが現われた。そう、BABYMETALである」

え〜っと、いきなり来ました。
「<やらされてる感>の美学に到達しちゃったアイドル」でありますか。
う〜ん、ピンと来ないです。ごめんなさい。

重音部こと BABYMETAL が結成された当初は、もちろん企画ものだったと思いますが、その後も、今日に至るまでも「やらされてきた」ようなニュアンスですが、本当にそうなのでしょうか。
僕にはそうは思えないです。

例えば、さくら学院時代の3人の日記(ブログ)を読めば。
そして、活字や映像の別を問わず、インタヴューをちょっとでも読んでみれば。
3人がこれまでいかに真剣に、真面目に、そして一生懸命に BABYMETAL に取り組んできたか、良くわかると思います。

それなのに「<やらされてる感>の美学に到達しちゃったアイドル」だなんて有名音楽評論家の先生に一刀両断されちゃうなんて……うっ(涙。ウソ泣きじゃないし)。


2)「そんなBABYMETALがいま、<21世紀最大最強の瓢箪から駒>になりつつある」

瓢箪から駒”という言葉の使われ方が大変気になったので、一応広辞苑を引いてみました。
もしかしたら、僕の解釈は間違っているのかもしれないという危惧を抱きつつ。
ボンクラで面倒くさがりなもんですから、辞書など普段は見もしないので、とても良い機会になりました。

広辞苑岩波書店、第五版):「意外な所から意外なものの現れることのたとえ。ふざけ半分の事柄が事実として実現してしまうことなどにいう。道理の上から、あるはずのないことのたとえ」

あ〜、良かった。
僕の解釈は間違っていなかったようです。

と、するとです。
ベビメタは、どう見てもヒョータンからコマではないと思うんです。
さっきの話とも関連しますが、現在に見られるベビメタの成功は、メンバー3人はもとより、各分野で活躍するエキスパートで構成された制作チーム全員による、年月を重ねた、集合的かつ集団的な努力が実った結果だと思うんですね、僕は。
もちろんそのプロセスは現在も進行中であろうと思うし。

その点からすると、広辞苑様のいう「意外な所から意外なものの現れることのたとえ」「ふざけ半分の事柄が事実として実現してしまうこと」には、まったく該当しないと思う次第。

あ、でも。
もしかして。
この記事を書いた音楽評論家の先生が『瓢箪から駒』というフレーズを、一般的な解釈ではなく、独自の解釈で使用しているのなら、話はまた別になりますが、仮にそうだとすると、ボンクラは読者として想定されていないということにもなりますですかね、もしかして。

あと、そうだ、瓢箪から駒というフレーズの前に「21世紀最大最強の」という言葉を付けておられます。
現在は2015年ですから、2001年に始まった21世紀もまだ15年目なわけです。
それなのに、すでに「21世紀最大最強の」なのです。
ええ、ええ、もちろんわかっているつもりであります。
文字通り21世紀最大最強というよりは、つまり実質的な意味というよりは、ある程度形式的な意味というか、とにかく瓢箪から駒という表現をなるべく強く前面に打ち出したかったわけですよね、はい。
いちいち物のたとえに突っ込んでんぢゃね〜よ。
そんな声が聞こえてまいりました。
はい、もうやめときます(素直)。


3)「BABYMETAL最大の魅力は、「アイドルがヘヴィメタルを演る」という<茶番>を全身全霊賭して具現化している点にある。馬鹿馬鹿しければ馬鹿馬鹿しいほど、その完成度は高い」

『最大の魅力』『完成度は高い』なんていう、とってもナイスなフレーズが散りばめられているのに、「<茶番>を全身全霊賭して具現化」「馬鹿馬鹿しい」だなんて、酷いぢゃないの。あんまりだわっ。

さっきもちょっと感じたんですけど、もしかしてこの評論家の先生、ベビメタを小馬鹿にしてませんかね。
何ていうか、文章にそういう“トーン”を感じるのですよ、とっても。

んで。
実はこのトーン、このパラグラフだけではなくて、記事全体を通して存在しているように思えるんですね、僕には。

言うなれば、この評論家様が「高みから見物しながらせせら笑っているイメージ」。
そんなふうに思えたんですよ。
ステージで一生懸命歌い踊っているベビメタの3人を横目で見ながら、薄笑いを浮かべ小馬鹿にしているイメージというか。

名のある音楽評論家の先生からベビメタがそんな扱いを受けたとしたら。
それはそれは、何と悲しいことなのでしょう(涙。だからウソ泣きじゃないって)。


4)「最終的には、2万人も集まってるのになぜ、おっさん客ばかりが大量に群れ集っているのか思い知らされた次第だ。「ヘヴィメタルっておじさんが好きな音楽なんですよねー」教え子の女子大生(20歳)が爽やかに教えてくれた」
「付け加えるなら30代後半以上のメタルおじさんは、<アイドルに免疫のない元洋楽少年>なのだ。2010年代以降のアイドルが一糸乱れず高速かつ複雑なダンスを踊ることを、これまで知る由もなかったのだ。そんなうぶなロック中年が初めて遭遇したアイドルが、自分が若かりし頃熱狂したヘヴィメタをハイスパートに唄い踊る可憐なベビメタだったら、そりゃもう虜でしょう。メタルとダンスでWトランス状態だもの」

おおっ!(どよめき)
来ましたね、ハタチの“女子大生”さん。
しかも「爽やか」な……。
うわ〜っ、とっても羨ましいっ!
羨ましすぎる! (ボー読みじゃないので、念のため)

そして『おっさん』の話。
わくわくしますよ〜。
わくわく……。
あれ?

「おっさん客ばかりが大量に群れ集っている」?
女子大生さんを引き合いに出しつつ、ライヴ会場に集まって来ていたおっさんファンたちを dis るようなトーン?
悲しす。

でもね、自分の言葉ではなく、どうして女子大生さんの言葉をわざわざ引き合いに出しているのか、それがわかんないっす。
さしずめおっさんたちに対比するものとしての、二十歳の女子大生さんってところか?

天の声「バカか、おめえは? いいか、良く聞け」
僕「は……、はい」
天の声「何たって相手は女子大生様なんだ。そのお言葉は地球よりも重く、絶対的かつ普遍的な価値を持つ。わかったか、こら」
僕「は……、はいっ! 良くわかりますた」


んでもって、話は続く。
まだまだ行くよ。
「30代後半以上のメタルおじさんは、<アイドルに免疫のない元洋楽少年>なのだ。2010年代以降のアイドルが一糸乱れず高速かつ複雑なダンスを踊ることを、これまで知る由もなかったのだ」とあります。

あ〜、ちょ待って、ちょ待って。

これはガチ知らなかったです。
てか、すんまそん、ホントにそうなんすかね?

っていうのもですね、例えば僕自身、かつてはモーヲタよろしくモー娘。やその派生グループに没頭していたことがあるんですよ。
ええ、人には良く黒歴史って言われてます。別に反論しません(苦笑)。

でもね、ベビメタの両脇を固める2人が、モー娘。プッチモニのカヴァーを歌い踊ったときには、もう周囲をかまうこともなく狂喜乱舞したもんです。

別にモー娘。に限らなくても、それ以前から気になるアイドルがいれば、CDを買ったり雑誌や書籍を買ったり、もちろんネットを漁ったりしておりました。

だから、他にもありましたよね。

「セェ〜ラァ〜服をっ! 脱がさないでっ!」とかw
秋元さんの奥さんも出身だっけ?

「私たちはバカじゃないっ!」とかw 
「みんな、大好きっ!」の絶叫とか懐かしす。そうだ、とんねるずも頑張ってたっけね。

話を元に戻す。

原文では『元洋楽少年』という言葉も使われておりますが、僕はアイドルから歌謡曲からニューミュージックからJポップからHR/HMまでをも含め、邦楽もかなり貪欲に聴いて来ましたです。
断じて洋楽だけじゃないっす。

なんてことを諸々考えると、「30代後半以上のメタルおじさんは、<アイドルに免疫のない元洋楽少年>なのだ。2010年代以降のアイドルが一糸乱れず高速かつ複雑なダンスを踊ることを、これまで知る由もなかったのだ」という文章には、ものすんごく“決めつけ”感を感じてしまうのです。牽強付会といっても良い。
大いなる違和感を感ずるっていうか。
不躾な言葉、すいません、僕のささやかなホンネってことでお許しください。
→先生、皆様、及び関係各位(腰から上を45度曲げる所作)。


5)「そして<おっさん>に<ヘヴィメタ>に<海外>と、これだけ局所的に熱烈支持されてるにもかかわらず、従来のドルヲタや肝心の一般ユーザーへの浸透がまだまだ待たれるとは、BABYMETALはつくづく特殊なアイドルなのである」

え〜っと、ここでまた疑問が生じてしまいました。
サーセン

「従来のドルヲタや肝心の一般ユーザーへの浸透がまだまだ待たれる」?
そのような“浸透”は本当に必要なんでしょうか?

私事になりますが、ちょっと前に、僕、このブログで「ベビメタには紅白に出てほしい!」って書いたんですよ。そのココロは年代を問わず一般大衆の方々にも好きになってほしいというものでして。

そしたら「紅白なんか要らねえ! 何言ってんだ、このタコ」とまでは行きませんでしたが、ほぼそのようなコンテクストのもとに多数の方から強力なバックファイア的コメントを喰らいまして、ああそうか、メイトさんたちは、ベビメタが必ずしもマスマーケット(大衆マーケット)に進出、展開されることを望んではいないんだなあと痛感したものです。

しかし、よくよく考えてみれば、そのあたりはベビメタのプロデュースの仕方を鑑みてもちらほら垣間見えるわけで、自分自身、とても勉強になったのを覚えております。

んでもって。
この音楽評論家様が『一般ユーザー』という言葉でどのような人たちを指していらっしゃるのか、正確にはわからなかったんですね。
ただ、大衆マーケット、一般消費者、あるいは一般的音楽消費者というようなニュアンスであれば、果たしてそこまで出て行くことが本当に「待たれ」ているのかは、とても疑問なわけです。別に待たれてね〜んぢゃね〜のっていうか。
あっ、コラ、また失礼なっ!(反省)


6)「茶番は《ベビメタ》という一大ロック・エンタテインメントへと昇華しつつある。前出の女子大生はこうも指摘した。「でもベビメタの子たち、想像してたのと全然違うアイドルになっちゃったと思ってますよきっと」」

あらら〜、やっぱりベビメタは“茶番”なんですね。
悲しいですよねえ、有名音楽評論家の方にそんな評価を下されるなんて(しくしく。ウソ泣きじゃないから)。

あ、そいでもってまた“女子大生”さんのお言葉ですか。
ええ、もうわかってますよって。
暗記しました。
そのお言葉は地球よりも重く、絶対的かつ普遍的な価値を持つ(きっぱりっ)。

それにしてもだ。
女子大生様とお付き合いがあるなんて、やっぱり羨ましいなあ……とっても(棒読みに非ず)。


7)んで、最後に、皆様、これは大変に細かいことで、大変に申し訳ないことなのですけれども、実は僕が何気に一番引っかかった点でもありまして。
それはメンバーの呼称なんです。
この評論家の先生はベビメタ3人をして、色々な呼び方をされております。

・SU-METAL
・YUIMETAL
・MOAMETAL
・ユイメタ
・モアメタ
・ユイモア
・スーメタ

前3者は良いと思います。
オフィシャルな呼称であるし、音楽評論家の先生によるプロフェッショナルな文章に相応しいと思うわけです、とっても。

文章全体にわたってこの3つで統一されていたのなら良かったのですが、申し訳ありません、後4者にはとっても違和感を覚えてしまうのです。

例えばですよ、“ユイメタ”だとか“スーメタ”なんて表記が、僕が今書いているような、客観性など微塵もない、作文を中心とした個人ブログで使われているのなら違和感ないです。
あろうはずがございません。

なぜならば、基本的なスタンスがプロの物書きではないから。
単なる作文だし、音楽評論として超メジャーなポータルサイトに載るわけでもないから。
てか、そもそも文章を書いてカネを稼いでいるわけでもないから。

実はですね、これら様々な呼称の使い分けの裏には、何か深遠なる理由。
あるいは隠されたロジック。
あるいは何らかの規則性。
等があるのではないかと自分なりに探ってみたのですが、ボンクラにはそれを見抜けませんでした。
つまり、単にランダムとしか思えずというテイタラク

ところで。
例えばですが。
何かの文章、例えば手紙とかに誤字や脱字が混ざっていたりすると、一気にその品位はガタ落ち、クオリティが下がるような気がするものです。
実質的な内容に関係なく、ただ誤字や脱字があるという形式的な理由だけで、文章全体の品質が落ちたような気分になり、読み手のテンションを一気に下げてしまう……みたいな。
文章の不条理とでも申しましょうか。
ブログでの作文書きの自分としては、まさに悩ましい点ではあります。

誤字脱字に関するこの話、メンバーの呼称に関する不統一感のトピックとは直接的に関連はしないものの、何となく一脈を通じるものを感じたりしている次第です。
世の中には「神は細部に宿る」なんて言葉もあるらしいけれども、改めてそんな言葉を持ち出すまでもなく、メンバー3人の名称の“不統一性”については、何となく、どよ〜んと違和感を感じたのでした。

ああっ、もしかしてまた不躾でクソ生意気なことをっ……!
すいません、単なる素直な感想ってことで勘弁してやってください、申し訳ございません(深くこうべを垂れる)。

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さて。
そんなわけで。
某大手ポータルサイトで見つけたベビメタに関する音楽評論の読後感想文をしたためてみました。
何かを読んだ後の“読後感”は千差万別、色々他の感じ方、考え方もあろうかとは思います。

最初にも書きましたが、これはあくまでも僕個人の主観に基づいた意見ないしは感想(のようなもの)であり、そのゆるゆるとした内容に客観性などは 0.001 ミクロンもございません。
よって、誤字や脱字はもちろん、幼稚な部分、的外れな部分、阿呆な部分などがあったとしても、笑って許してやっていただければ、大変幸甚に存じます。

では日直の人。

起立。
気を付け。
礼。
「ありがとうございました!」
着席。


【引用元】 
「BABYMETALが“元洋楽少年”を熱狂させる理由【国内篇】」
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6163495