されどロックな日々 - ANNEX

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BABYMETAL 6.21 幕張の思ひ出と感想文、その1 〜 ステージを真横から鑑賞するの所作。及びその粋(いき)のようなもの

【BABYMETAL 6.21 幕張の思ひ出と感想文、その1 〜 ステージを真横から鑑賞するの所作。及びその粋(いき)のようなもの】

◇ あれから2週間が経過し。
ようやく気分も落ち着いて来たので。
思い出と感想文というような形で、自分なりに振り返ってみたい。

ま、ごちゃごちゃ言わず、総論一発で言えば、
「素晴らしかった」
の一言に尽きる。
ええ、未だに多幸感に包まれておりますです。

だが。
敢えて各論。
いやそれどころか、もっともっとねちっこく枝葉末節にこだわって、ああだこうだ言うのもまた楽しってことでw

ベビメタのライヴに関しては、毎度のことながら、終演直後あたりから、素晴らしいレビューや分析が怒涛のごとく発表されているわけで、その点からすると、2週間が経過した現在、ここで改めて感想文をしたためることには、まったくもって今さら感が否めないのだが、まあ、そのあたりについてはファジーにしたままw、ぽつらぽつら、てれっちてれっちと作文してみたい。

平成27年6月21日日曜日。
東京の天候、曇り時々雨。

何とか仕事を片付けて西新宿の事務所を出たときには、「グッヅ買うのとか絶対無理だし……」とか、少々クサり気味だった。
あまりに遅すぎたということで。

だが、東京駅の京葉線プラットホームに溢れ返る、我がベビメタの黒T軍団を目の当たりにした途端、一気にテンション上がりまくりな僕なのであった。
メイトの皆さん、カッコイイっすな〜。
心強いっす。

メイトさんといえば。
日本とはほぼ地球の正反対、ウルグアイモンテビデオにいるマイク・ジアニーノ(Maik Gianino, Mr.)にも、あの日はずいぶんと助けられた。
“マイク”とは他でもない、このブログでインタヴューしたこともある、BABYMETAL Newswire のオーナー兼編集長である。

仕事中、また海浜幕張に向かって電車に乗っている最中も、僕はFBとツイッター、その他掲示板等で、現地・幕張メッセの状況を時々刻々チェックしていた。

それと併せて、僕はマイクともFBの Messenger でやり取りを続けていたのだが、東京にいる僕が iPhone 経由で取得する幕張現地情報よりも、地球の裏側にいるマイクが送ってくれるそれの方が、より新鮮でより具体的、より役に立つものだった。

マイクは情報サイトのオーナーだし、その情報収集能力は折り紙付きとはいえ、地理的な場所の違いなどをいとも簡単に乗り越えてしまうインターネットのパワフルさには、今更ながらも改めて驚かされた。
まさにインターネット時代のダイナミクスという気もするのだが、僕などはその恩恵を受けている代表的な例といえよう。

コンサートの現場、幕張メッセに到着したのは15時過ぎ。
すでに開場まで30分もない状況。

去年9月の幕張では“Aブロック”で、ステージ真ん前、ドセンだった。
今回は1500 番台ではあったものの、同じく“Aブロック”だったので、「キタ〜」とばかり浮かれていた。


小雨パラつく中、待つことの程もなく、ゲートオープンで会場内へ入る。
メタルな楽曲がガンガン流れる中、目の前で怪しく光る大きな赤いピラミッドに大満足。
何かこう、いよいよ始まるという気分を高揚させてくれるに十分な演出。

しかし。
一点、気になることがあった。
つまり、自分が立っているところからステージに身体を向けたとき、背中に階段があったことである。

何故、背後の階段に気付いたのかというと、超モッシュシュピットのプレミアムなチケットをお持ちであろう方々が、隊列を組んでどど〜っと階段を降りて来て、会場全体が「うぉ〜!」とか一気に盛り上がったからで。
ちなみに、その階段は国際展示場1〜8を横断している中央モールにつながっている。

個人的なことになるけれども、幕張メッセの国際展示場にはクルマ関係のイベントで来る機会が多く、ホールの構造や位置関係には、それなりになじみがある。
もちろんサマソニでもお馴染みの場所だ。

今回のライヴ、巨大天下一メタル武道会はホール1〜3をブチ抜きで使うというから、とすると、僕が観客エリアでステージに向かって立ったときには、僕の左側、ないしは右側に階段が見えなければ不自然ということになる。

しかし、階段は僕の背中側にあった。
ぬ〜。
ど〜なってんだ?
ステージと観客エリアとの位置関係が今一つ把握できず。
その件については、ウルグアイのマイクとも Messenger であれこれとやり取りをしていた。

とはいえ。
その……何だ。
僕のいたところは、何たって天下の“Aブロック”であることには間違いないのだから、去年の幕張同様、ステージの真ん前であることは間違いないだろう。
きっとステージの作りが凝っているだけなのだ。
そ〜だ、そ〜だ、そうに決まってる。
僕は楽観論で落ち着くことにした。

開演を待ちながら、メガデス、ジューダス、オジーパンテラなど、懐かしのメタルが混ざった BGM を聴いていたら、超懐かしいギターサウンドが。
ポール・ギルバートのあのプレイには大いに耳馴染み有り。
アルバム持ってるし。
ギターパートはコピーしたし。
他ならぬ『Addicted to That Rush』である。
もう20年以上前っすよね、あれ。

でも、ベビメタと MR. BIG って、あんまり親和性が高いようには思えないんだけど……(小声)。
なんて考えていたら、いきなり客電が落ちた。

ステージを見ると、神バンドの面々の横顔がライトで照らし出されていた。

え゙っ!?
何で横顔なの?

んで。
次の瞬間。
僕の左わき、上方が一気に明るくなった。
何かと思って見上げてみたら、何とそれは巨大なスクリーンであった。

あらま。

要するにだ。
僕は、ステージの真横も真横、下手側にいたのである。

ベビメタの3人が、堂々ステージに登場。
はい。
やっぱり真横からのお姿でした。
横顔でしか3人が見られないので、オーロラビジョンな巨大スクリーンを見上げる。

何だかなあ〜。
思わず苦笑を禁じ得ず。

「ここって、体感席みてえじゃん!」
という声が聞こえた。

思わず吹き出す。
言い得て妙。

いや。
アーティストの姿は見えているんだから、“体感席”じゃなくて“参加席”ぐらいにはなるか。

ちなみに体感席やら参加席というのは、ドームクラスのライヴにおいて当日券のような形で販売される、アレである。
最近の例でいうと、今年のポール・マッカートニー公演のときに売り出されていたような気がする。

体感席は基本的に直接アーティストを見ることができないケースが多く、スクリーンと音のみで楽しむスタンド席である。雰囲気を楽しむ場所というか。

参加席は何とかアーティストの姿は見えるものの、かなりシビアでほとんどまともには見えないことが多いようだ。

共に唯一のメリットはコストだろうか。
通常の席が万単位なのに対して、これらの席は1万円未満で買えることが多いようなので、まあお得ではあるのだが。

話を戻す。

体感席のようだと嘆く声に少しく賛同しつつ、ギミチョコを耳にしながら「これでAブロックなの〜?」とか密かに嘆いていた僕。

もう……。
こうなったらグレたろか。
髪の毛、金髪に染め上げて。
シャコタンのクルマに乗って、甲州街道を爆音で走り抜ける。
ついでに家出でもしたろか。

なんてボーっと考えていたら、いきなり身体に大きな衝撃が加わった。
気づいてみれば、僕の身体はサークルモッシュの中に放り込まれていた。

自分としては、ステージとスクリーンとを交互に見ながら、大人しくライヴを鑑賞しようと思っていたのだけれども、周囲にいた4〜5人が一斉に飛び出したとき、勢いで巻き込まれてしまったようだ。

こういうときは流れに逆らわないのが得策。
とりあえずはメイトの皆さまとグルグル。
とはいえ外周を回るのはしんどいので、さりげなくサークル中央部分をめざして移動する。
外周は周囲の人たちとぶつかる可能性が高いし、走るスピードが速いため転倒のリスクもあり、内側へ行くに限るということで。

ギミチョコが終わったところで、自分の立ち位置を確認すると、ステージに向かって真横な位置ではなく、少しだけ中央寄りになっていた。
ありがたい。
とはいえ、まだまだ横からの鑑賞という位置づけには変わりない。

しかし。
住めば都とは良く言ったもので。
面白いことに気付いた。

つまり、ステージの横からベビメタを見ることの愉しみに気付いたのである。

ステージ上の3人の位置関係を見るとき、僕は主に左・真ん中・右の違いで見て来たのだけれども、前後という観点から気にしたことはなかった。
僕の場合、もともと深視力とかほとんどない方だしw、ステージをフロントから見ていると、3人の前後の位置関係はあまり明確にはわからなかったし、もとよりあまり気にすることもなかった。

しかし、横から見ていると、当たり前のことではあるが、3人の前後関係が手に取るようにわかるのである。
これがちょっと面白かった。

『メギツネ』で、すうの投げたお面がちゃんと前に飛んで行ったところとか(今回はちょっとした飛距離があったような気がする)。
『Catch Me If You Can』の「とっておきの場所を発見」のところでのすうもあの動きとか。
『いいね!』でのゆいもあの動きとか。

ベビメタのライヴをステージの横から見るという所作はまったくもって初めての体験だったのだけれども、3人の前後の位置関係が実にはっきりと見えて、「あ〜、こんなに離れるんだ〜」とか“発見”した次第。

会場のどこにいようが、どんなアングルで見ようが、それがベビメタのステージである限り、つまらないわけがない。
しかし、それを織り込みつつも、ステージ横から3人や神バンドを見るという所作が、これまた何気に新鮮で面白かったのである。

人間万事塞翁が馬
なるほど、良く言ったものである。

                  • -

◇ 少し前の話になるけれども、かな〜りシヴいロック系の某イベントにスタッフとして参加して来た。
僕が馴染みにしているライブハウスがそのイベントに協賛していた関係で、お手伝いのような形である。

ロックファンが集う場所。
であれば、ベビメタメイトとしては“正装”で行くしかあるまい。
ってことで、僕は戦国 WoD のTシャツを着て行った。

ホール内では、しっかりとお客さんの動線上にいたので、何か反応はあるかな〜、どうかな〜とは思っていたのだけれども、意に反してほとんどリアクションはなし。
明らかに視線を投げかけて来る方々は散見されるも、特別なリアクションはなかった。

しかし。
ライヴがハケた直後。
出現してくれましたよ、キツネサイン。
30代前半ぐらいと思しきカップルがニコニコ顔で。
もちろん、ガッツリ頂き、しっかり返しました。

実にささいなことではある。
それでも、やはり、ベビメタ関連“以外”のイベントで、メイトさんに遭遇するのは、なかなかに味わい深く楽しいものなのである。

そういえば、去年のフジロックでも、何回かベビメタの黒Tを目にすることがあった。
苗場には今年も3日間参戦の予定。
あれから1年経った今、メイトさんの数は明らかに増えているだろうし、すごく楽しみなのである。