されどロックな日々 - ANNEX

「されどロックな日々」、別館 (ANNEX) でございます (^^)

菅沼孝三 & 川口千里 ライブ @ 荻窪 ルースター

平成24年12月10日、月曜の夜は荻窪が熱かった〜。

ルースターというライブハウスにて:

手数ドラム&高速ギター対決!
菅沼孝三(ds) 川口千里(ds) 矢堀孝一(g) 武良匠(g) 水野正敏(b)
ゲスト:山本真央樹(ds)※ゲストはサプライズゲスト。

という企画を観覧。

ライブハウスの紹介文が実に的確、かつ秀逸。

「手数王、菅沼孝三には究極のライバルがいる!菅沼の弟子、川口千里である。彼女はまだ15歳!しかしながら、世界的なドラムサイト「ドラマーワールド」の女性ドラマー部門に取り上げられた。神保彰に次ぐ2人目の日本人掲載という。そしてFRAGILEのギタリストである大御所・矢堀孝一と22歳ながら8社・10ブランド以上のメーカーとエンドーズ&アーティスト契約を結んでいる怪物ギタリスト、武良匠との直接対決が今夜!見逃せないぞ」(サイトにあった紹介文を原文のまま引用させて頂いております)

菅沼さんを見るのは、彼が小川文明さんたちと組んでいたブラックペイジという、超絶テクニカルバンドを見て以来……ってことはかなりのヒサブリということになる。

川口千里ちゃんを見るのは、12月1日&2日に山本恭司さんのライヴで見て以来……だからかなりのショートインターバルにて再見ということで。

この日はドラムが2セット、菅沼師匠とその愛弟子、千里ちゃんとのツインドラムは圧巻の一言。
師弟二人が並んでドラムを叩くところを観戦したのは初めてだったけれども、言うことなし、とにかくものすごい迫力。YouTube では何回も見ていたけれども、やはりライヴで見ると全然違う。
菅沼さんがテクニカルプレイの合間合間に見せる、例のスティックを使ったパフォーマンスもしっかりキマっていた。

千里ちゃんは師匠をかなり尊敬している(?)ようで、矢堀さんに「次のは難曲だけど大丈夫?」と振られると「師匠に付いて行きます」と応えていた。
それに対し矢堀さんは「あ〜、それは危険、それだけはやめた方が良い」というような感じで返し、しっかり客席の笑いを取っていた。

それにしても、である。
この川口千里という人、自分がすごいドラマーだということを、未だきちんと認識していないという印象。
もちろん、悪い意味では全然ないです。

とにかくドラムを叩いている最中は、ひたすら純粋かつ無垢な目をしている。
いわゆるピュアでイノセントな目というか。

目はココロの窓?

ドラムを叩くのが楽しくてしょうがない。
だからドラム叩くのをただ愉しんでいるだけ。
ただそれだけなの……みたいな。

ものすごい才能の登場に驚き、騒いでいるのは回りの大人たちばかりなり(笑)。
ワタシもその1人です。
でも、世紀的とも形容しうる才能の開花をオンタイムで目の当たりにすることができるのは、そうそうあることではない。
その意味では実にレアなオケイジョン、同時代に居合わせることができたのは実に光栄なことなのである。

しかし、あれだけの数の曲、しかもそれぞれがかなりの難曲を、ベテランミュージシャンたちを向こうに回して叩きこなす力はほんとにすごい。
それぞれの曲の展開を、良くもまああれだけ大量にアタマにインプットすることができるものだ。

んでもって、ゲストタイム。
「あの山本譲二さんの息子、じゃなかった、えーっと、山本恭司さんの……」というフリがあったところで、ワタシは「え、もしや?」と一瞬思ったのだが、予感は的中、千里ちゃんのゲストコールで颯爽と登場したのは、山本恭司御大のご子息、イケメン、山本真央樹君であった。

聞いてね〜よ。
事前告知ナカッタ〜。

あ、いえ、でも、こういうサプライズは大歓迎であります、ええ、ええ。

2人は仲良く並んでツインドラムを披露。
これが良かったの何の。
菅沼さんと千里ちゃんのツインは世代をまたいだ師弟ツイン。
真央樹君と千里ちゃんのツインは新世代のドラマー2人による新世代ツイン。

新世代の2人、この2人が並んでドラムセットに座ったときの見た目、映りが抜群にイイ。
ほんと、似合いの2人なのである。

などと勝手にカップル仕立てにしたら怒られるかもしれないが、とにかく2人並んでドラムを叩いている姿は清々しく言うことなし。

そういえば、ワタシが真央樹君の姿を見るのは初めてであった。
しかもそれが千里ちゃんとのツインドラムとは、実に贅沢な初見であった。

もし自分がライブハウスのオーナーだったら、山本恭司&山本真央樹+Senri’s Super Session のライブを企画するところでありましょう。

ところで、ギターの矢堀さんはベテランらしく、超速のテクニカルプレイを惜しみなく披露されておりました。あくまでもさりげな〜くハイスピードなプレイを見せるところは、さすがにベテランの風格。
あれだけのギタリストであって、なおトークが面白いっていうのも、良く考えてみればかなり凄いことではある。

もう一人のギター、若手で期待の新星、武良(むら)さんは、何とカントリーミュージックにおけるギターが得意とのことであったが、超絶系フュージョン(?)のギタリストとしても十二分と言えるほどテクニカルなプレイを見せてくれた。
アラン・ホールズワースの裏話、というかビールにまつわる逸話は面白かった。

ベースの水野さんは、矢堀さんに負けず劣らず話が非常に面白い人だったが、ベーシストとしてももちろんかなりのテクニシャン。
喋っているときは面白いんだけど、いったんベースを弾き始めると完全にミュージシャンモードに入り、、バンドのボトムをしっかりと支えていた。


師走の月曜、荻窪の夜は熱かった……。