されどロックな日々 - ANNEX

「されどロックな日々」、別館 (ANNEX) でございます (^^)

山本恭司&Senri’s Super Session @八王子 Live Bar X.Y.Z.→A

12月1日土曜と2日日曜の2日間は、八王子へ。

山本恭司師のライブ『弾き語り・弾きまくりギター三昧 スペシャルナイト』を観るためである。場所は八王子 Live Bar XYZ→A。

2日間とも第1部は恭司のアコースティックライヴ、第2部はエレクトリックによるバンドのライヴである。
通常、「弾き語り・弾きまくり」企画の第2部はオケを使ってのソロだが、この日は今や巷で大人気の女子ドラマー、高1は弱冠15歳の川口千里ちゃんのバンド、Senri’s Super Session(SSS)を迎えてのスペシャルナイト。


んでもって、その SSS である。

SSS とはすなわち、恭司と共演、あるいは「競演」していたドラムの千里ちゃん、ギターのアキラ氏(Akira Tanemura, Mr.)、ベースのテル氏(Teruyuki Iwawaki, Mr.)、キーボードのマユミ氏(Mayumi Yoshida, Ms.)、4人のミュージシャンである。
千里ちゃんについては後ほど触れるとして、まずはギター、ベース、キーボードのお三方である。

恭司とのステージということで、この方々にとってはかなりエキサイティングな時間だったとは思うが、それと同時に相当なプレッシャーもかかったのではないかと思われ。。。

特にギタリストのアキラ氏にとっては結構な重圧だったのではないか。
何せ相手は世界を股にかけて活躍してきたスーパーギタリスト、「あの」山本恭司なのである。

さらに客席は恭司の熱血ファンでギューギュー、半端なステージをやればその熱い面々からブーイングが出るのは必至、面倒なシチュエーションwにもなり兼ねないわけで。
ワタシ自身もライヴ前は「ナニ、どんなヒトたちなのお?」という感じではあった(正直)。

結論から言えば、この3人のミュージシャンの皆様も実に素晴らしい演奏を披露してくれた。
山本恭司という御大を向こうにまわしての堂々たるステージングには、心底痺れましたです、はい。

アキラ氏は「Signal Fire」をはじめとして、恭司とのツインリードをキメるなど、かなりの技術を持ったギタリストであった。とにかくフィンガリングやピッキングに無駄な動きが一切なく、その華麗なるギタープレイは恭司という巨人に十分立ち向かえるクオリティを持っていた。
それにしても、ステージ上で2本のヤマハHRカスタムが炸裂している様を目の当たりにできるなんて、ずいぶんと贅沢な経験であった。

テル氏はさりげなく色々なパッセージを弾いていたが、かなり引き出しの多いベースプレイヤーとお見受けした。
5弦ベースならではの特性を巧みに生かした、独自のプレイスタイルに目と耳を持って行かれた感じ。
テル氏の風貌がほんのり系というか、はんなり系なので、バンドではムードメーカー的な存在なのではないかと推測してみたw

マユミ氏は時おり笑みを浮かべつつも、KORGの鍵盤を縦横無尽に駆使してがっつりとテクニカルなプレイをこなしていた。
その美しい微笑に何回かボーッとなっていたのはワタシです、ええ。
1日目のポニーテールも、2日目の巻き髪も、大変にお似合いでございました。
一緒に行ったR嬢が、1日目のライヴ後、帰りがけにドア近くでマユミ氏を見て「かわいい!」と言っていたが、自分は階段を下りながら「確かにあのキーボードは上手かったな」とクールな受け答えをするに留めておいた。

このお三方、ロックとかフュージョンとかジャンルを問わず色々な演奏ができそうなミュージシャンであるがゆえ、今後も要チェックである。


さて、川口千里ちゃんである。
YouTube では、例えばK-ON!! (けいおん!!)の「GO! GO! MANIAC」「Utauyo!! MIRACLE」「Unmei♪wa♪Endless!」「ふわふわ時間」「Don't say "lazy"」なんかを叩いて国内外から大絶賛されているわけで、ワタシもずいぶんと見たものであるが、ナマ千里を見るのは今回が初めてであった。

ともすれば、女子、15歳、高1という部分ばかりが強調されがちだが、もはや余計な能書きは不要。
この川口千里という人は、1人の打楽器奏者として恐ろしいほどの才能を持った音楽家なのである。

『天才』という言葉は、個人的にあまり気軽には使いたくない言葉ではあるけれども、ニコニコしながら物凄いテクニックでドラミングを披露する姿にはやはり天賦の才に恵まれた、類稀なるお方の姿を見ざるを得ない。

師匠は「あの」手数王、菅沼孝三氏とのことだが、しっかりと師匠から学ぶべきことを学び、これからは自分なりのフレイヴァーというかテイストを盛り込んで行くプロセスに入りつつあるような気がした。成長の余地はまだまだ無限大なのである。

テクニックに関しては、素晴らしいの一言。
タイム感というかリズム感はほとんど正確無比、的確なタイミングでそれぞれ太鼓やシンバルを効果的に鳴らしている感じ。
当然ながら、山本恭司という天才的な弦楽器奏者との相性は抜群であった。

それにしても、山本恭司という“うるさ方”(良い意味ですw)に認められ、さらには日本で名だたるフュージョン系ミュージシャンたち(これまたうるさそうな人ばかりw)と共演してファーストアルバムを完成させてしまう人であることからしても、この川口千里という音楽家にとって「15歳」だの「女子高生」だのという“付加価値”(のようなもの)はもはや不要ということがわかろうというもの。


それでも面白かったのは、恭司が彼女のアルバムを手にして、このジャケ写に大いに反応していたことである。
「この写真さ〜、JARO に言わなくちゃね〜」
「3年後の千里ちゃんかな〜」

なぜJAROが出て来るのか、ワタシには良くわからなかったけれどもw(恭司ならではのギャグですな)、恭司からのキーメッセージはとにかく
「このジャケ写はイイ!」
ということなのでありましょう。
そのメッセージはがっつりしっかり伝わって来ましたです、はい。
確かに良い写真だしw

ちなみに、このデビューアルバム『A LA MODE』の発売は川口千里16歳の誕生日、2013年1月8日だそうである。





そして、恭司である。
その超絶ギターテクニックに関しては、もはや私がくどくどと語る必要は一切あるまい。
アコでもエレクトリックでも、とにかくとんでもないワザでギターを弾き込んでいた。

それにしても最近思うのは、恭司のヴォーカルである。
単純に言って、抜群に上手くなっているのである。
声に芯が通っているし、表現力が圧倒的に豊かになったというか、シンガーとしてかなりの力を付けて来ているなという印象。

人間の声は年と共に変化して行くものだけれども、恭司の歌声を聴いていると、まだまだこれからの『伸びしろ』が残っている感じ。
そう、恭司のヴォーカルがこれからも年々成長して行くことは、確実なのである。